その笑顔にダマされて

私の経験上、モルディブは他のアジアの国々に比べて「ぼったくられる」とか「ダマされる」とかいう体験は稀です。(ただし外国人を相手にした投資サギは横行しています)だからモルディブでも油断しきって生きている私。

仕事で友人(日本人)と地方の島を訪れていた際、泊まっていたゲストハウスの前に、ココナツを手にしたかわいいおじいちゃんが来ました。ニコニコと「食べる?」と聞かれ、食べたことあるけど、と思いつつもおじいちゃんが来てるので「イエス」と答えると、ココナツを割って中身をくれました。

友人といただき、「ありがとー」と去ろうとすると、「トゥーダラー(2ドルちょうだい)」とお金をほしがるではありませんか!面喰う私。モルディブ人は人懐っこくて気前がよく、私もこれまでいろんなモノをいただいてきたので、この日もてっきりそれかと思っていたのです~

私は「島の人がツーリストに同じ行動をしたらどう思われるかな」と揺らぎ、友人は「それでおじいちゃんが満足するなら」と、財布を探しに行きました。その間に、おじいちゃんは諦めて帰ってしまいました。(思えば、わざわざゲストハウス前に来たのが怪しかった!)

次の日。友人と島を歩いていると、道でフレンドリーなおばあちゃんに会いました。ディベヒ語と英語を混ぜて会話をしていると、「うちでお茶しよう」という話に。島の人は、私(外国人)を興味本位でお茶に誘ってくれることがあるので、この日も迷いなく彼女の家へ。笑

「そういえば・・・」と昨日の出来事を思い出し、私が「ルフィヤーネティ(お金ない、と言ったつもり)」と言うと、おばあちゃんは「オーケーオーケー」と笑顔。おばあちゃんが作った軽食とお茶をご馳走してくれました。(写真↓)

「ミール!(おいしい)」と褒めていると、おばあちゃんが「ダラー(ドル)」と、またもお金を要求するのです!私も友人も手ぶらだったので「財布ないよ~」と、ひとまず家を出ました。後で友人が200ルフィヤ(約13ドル)を持っていくと、なんとおばあちゃん、金額が少なくてガッカリした様子だったそうです笑

このエピソードをゲストハウスを営む友人に話したところ、彼女も「実はツーリストからクレームが来てる」「これで島のイメージが下がると残念」と。

きっと彼らはちょっとしたお小遣い稼ぎのつもりで、私も「地元の人が潤うなら」と思いますが、見返りを期待せず好意でもてなしてくれてた島の人が、時代と共に変わりつつあるようで切ない気分になりました。