ディベヒ語のおかげ

モルディブの公用語は「ディベヒ語」です。が!首都マーレ周辺やリゾートでは全くと言っていいほど使いません。それもそう、ここでは英語が通じるからです!

特に首都エリアでは、幼児やお年寄でさえ簡単な英会話(単語を並べたり)ができます!なので、マーレでは市場での買物で会話と数字の練習をするのが関の山…

私もモルディブに来た当初から「旅の指さし会話帳」という本を頼りに独学でチャレンジしてきましたが、なにせ英語が通じてしまうため上達しません。(英語が分からないバングラディシュ人の店員さんとのやり取りに困る程度…)

ディベヒ語で用いられる文字は「Thaana(ターナ)」といいます。アラビア数字・インド数字のカタチを起源とする表音文字です。(ウィキペディア参照)

モルディブに来た頃から興味が持てなかったディベヒ語ですが、地方の島に足を運ぶようになり、Facebookで伝統文化などを紹介する記事を書くうちに、文字が少しずつ読めるようになってきました。

とは言え、元々興味がなく、かつ必要に迫られていない言語を覚えるには時間を要します。

それに加え、一部のモルディブ人は「外国人はディベヒ語できても英語が話せないとね~」と言う始末。近年では、英語の早期教育によってディベヒ語がおぼつかない子供たちもいるのだとか!そんな話を聞き、ますますモチベーションが下がります。

しかしそれは首都圏での話。

田舎の島に行くと格段に英語が通じません!そこで威力を発揮するのが「ディベヒ語」です!(むしろそこまで行かないと使わない…)

ある時、ある島のビーチで景色を眺めていると、子供が私に寄ってきて「マンマ(お母さん)が呼んでる」と話しかけてきました。ついて行くと、ビーチパラソルの下でナッツを割っていたお母さん(私にとってはダッタ(お姉さん)のご年齢)が、惜しげもなくナッツを食べさせてくれました!これ、マーレで買うと高いんですよ~

子供は隣で、自分が釣った魚をさばいています。たくましい…

英語が苦手なダッタとディベヒ語で会話。これまでの勉強の成果を発揮していたら、なんと「夕方うちにヘディカ(スナック)食べに来なさい」と誘ってくださいました!なんてオープンなんでしょう!

夕方、お宅へ訪問。ダッタお手製のヘディカや軽食をいただきながらディベヒ語と英語とジェスチャーを混ぜて話したり、子供が時々英語で説明してくれたりして、大いに盛り上がりました。

短い出会いでしたが、お別れの時は涙が…。島が遠いのでめったに会えない距離です。

今は、語学の習得には「時間」だけでなく、その国に対する「愛情」が必要なんだと実感しています。私のディベヒ語は一進一退ですが、こんな体験をできるのも現地語を勉強したおかげ。島の方々との会話を楽しみに、今日も本を開きます。